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サバイバー ㊶

前回の続き・・・。


ベッドに横になりながら運ばれる。

こんな感じ・・・?


病室への移動途中で家族との面会が出来る段取りになっていた。


看:「ササダさん。奥様がいらっしゃいますよ~。」


家:「おつかれさま。」


私:「ああ・・・。」


看:「まだ、麻酔が残っているかと思うんで・・・。」


家:「ああ・・・。そうですね(笑)。」


家内と目を合わせる・・・( ̄ー ̄)ニヤリ。


私:「取り敢えず終わったわ(笑)。」


・・・と、伝えたいのだが。


舌を手術したばかりなので、実際は・・・。


私:「ろいあいうおわっらわ・・・。」


以下の私の会話は私の頭に届いている感じで、実際にどのように伝わっているかは不明だが、こんな感じ?


ただ、看護師さんの麻酔が効いている発言とは裏腹に、すっかり覚醒していることを私も家内も気付いていた

(笑)。


時折出てくる以前受けた大手術の時でさえ、意識があったのを知っているから・・・( ̄∀ ̄;)


看:「この後、奥様は執刀医から手術の説明があります。説明室へ行ってください。」


家:「はい。それじゃあ、また、後でね。」


私:「ああ、よおいう。(ああ、よろしく)。」


私は、そのままエレベーターで病棟へと運ばれていった。


運び込まれていった病室は、今朝方までいた病室とは違うのが分かる。


看:「ササダさん。ナースコールを手のところに置いていますから、何かあったら呼んでください。」


私:「ふぁい。(はい。)」


運び込まれた病室でぼんやりと過ごす。


点滴やら、尿道カテーテルやらで繋がれている。


身体をどこまで動かしていいのかさえ分からない。

こんな感じ・・・?


時間の経過さえ分からない・・・ウゥ━━━|li(σ・ω・`;)il|━━━ン


もやもや・・・。


モヤモヤ・・・。


moyamoya・・・。


どのくらいの時間が経過したかはわからないが、多分、病室に戻ってそこまでの時間経過はないのだろうが・・・。


何もすることがない・・・。


いや、何も出来ない・・・。


手術後だからか、ドアは解放されていて、外の音だけが耳に届けられる。

いらいら・・・。


イライラ・・・。


iraira・・・。


イライラしても仕方がないのだが・・・。


この所在のなさをどこにぶつけていいのかが分からない・・・。


ポツリと取り残された感じである。


その状況にジッと耐えていると・・・。


看:「ササダさ~ん。お変わりないですか~。」


看護師さんの声が天使に聞こえた・・・(笑)


私:「ふぁい(はい)。」


看:「お昼から担当の %& です。よろしくお願いします。」


私:「おおいうおえあいしまう(よろしくお願いします)。」


看:「痛みは無いですか?」


私:「ふぁい(はい)。」


看:「ちょっとチエックしますね~。」


血圧やらオキシメーター等をチェックしていく。


私:「まら、うおいたああええふかえ・・・?(まだ、動いたらダメですかね・・・?)」


看:「そうですね~。もう少し、動くのは無理ですかね~。」


私:「ああ・・・。おうあんえふえ?(そうなんですね?)」


看:「ベッドを少し起こしましょうか?」


私:「ほえはいいんえうか?(それは良いんですか?)」


看:「少し起こすくらいなら大丈夫ですよ。」


私:「あうかいまう。(助かります)。」


看:「起こしますね~。」


ウィ~~~~ン。


ベッドがわずかだが起こされて頭が上になっただけでも全然違う。


若干の解放感を覚える。


頭が起こされたことで、病室の景色や外の人の動きが見て取れるようになった。


ただ、時間の経過は分からない・・・???


声:「こんなことなら麻酔が効く体質の方が良かった・・・。」


本も読めない・・・。


テレビも見られない・・・。


音楽も聴けない・・・。


当然だが、スマートフォンを見ることも出来ない・・・。


う~・・・。


現代人である・・・。


孤独な時間と闘っているところへ救いの神が・・・。


家:「どう?大丈夫?」


どうやら面会時間になったようだ・・・。


私:「うん。」


家:「面会の受付が凄く混んでた。」


私:「ほうなん?(そうなん?)」


家:「 LINE 入れたけど・・・。」


私:「すあーとおんあいがあえっえいえないんお。(スマートフォンたちが返って来てないんよ。」


家:「そうなんね・・・。」


私:「うん。」


家:「先生の説明では、舌の浸潤は無くて、安全域まできれいに除去出来たってさ・・・。」


私:「ほうあんや。(そうなんや。)」


家:「取り敢えずは、良かったね。」


私:「うん。」


家:「話もちゃんと出来てるみたいだし・・・。」


私:「ほうなん?(そうなん?)」


家:「うん。分かるよ。」


私:「口に何か入れながらしゃべってる感があるから、もごもご言ってるような感じするわ。」

ここから、聞こえている体で正常な会話に戻す。


家:「うん。そこまで違和感はないよ。」


私:「良かった・・・。ちょっと、窓見てみぃ。大阪城が半分になったわ。」

家:「あら~。本当ね~。残念・・・。」


そこへ・・・。


トントントン♪


受:「ササダさん。すいません、今よろしいですか~?」


私:「はい。どうぞ~。」


受:「ああ、奥様がお見えだったんですね~。後にしましょうか?」


私:「いや、大丈夫ですよ。」


受:「すいません。お部屋を変わられたんで、改めて、お部屋の使用同意書を頂かなくてはいけないんでサイ

ンを頂けますか?」


私:「ああ・・・。はい。」



受:「こちらへお願いします。」


私:「これ、あれだよね~。大阪城が半分になったから、部屋代も半分にしてもらわないと。。。(笑)。」


受:「そうですね~(笑)。」


私:「ホント、言っといてよ~(笑)。」


受:「言っておきますね~(笑)。」


流石、大阪である・・・。


次回へ・・・。

 
 
 

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